コラム

投稿日:2024年1月3日

再建築不可物件の建て替え、その前に!建物に求められる耐震基準を理解しよう。

再建築不可物件が建て替えられない理由として「接道義務の違反による既存不適格」がありますが、もうひとつ、建て替えを検討する際に検討しておくべき重要なポイントとして「耐震基準への適合」があります。

再建築不可物件は多くの場合、現行の建築基準法ができる前に建築されており、新築の時点でも現行の建築基準法における耐震基準に適合していなかったものも多くあります。また、ほとんどが築30年以上経過している物件の為、耐震性能だけでなく建物の構造自体が劣化している建物は珍しくありません。

建て替えを検討する際には「耐震診断」によって建て替え対象の建物の現在の耐震レベルを検査します。それでは、どのように診断されるのでしょうか?

耐震診断に用いる「上部構造評点」

「上部構造評点」とは、実際に震度6強~7程度の地震が発生した際に、その建物が倒壊せずに耐えられるかどうかを診断し、数値化したものです。

ここでの「上部構造」とは基礎よりも上の部分を指し、下部構造は基礎部分のことです。いくら基礎がしっかりしていても、上部構造のバランスが悪ければ、ちょっとした揺れで倒壊しやすいのも事実です。上部構造のバランス・強度などをしっかりと踏まえて耐震をおこなう必要があるため、この「上部構造評点」が耐震診断に使用されるのです。

上部構造評点 判定コメント
1.5以上 倒壊しない
1.0以上1.5未満 一応倒壊しない
0.7以上1.0未満 倒壊する可能性がある
0.7未満 倒壊する可能性が高い

現行の建築基準法では「耐震等級3」が最も高いレベルの耐震性能となります。
耐震診断時に用いる「上部構造評点が1.5以上」で「耐震等級3と同等レベル」となり、震度6強~7程度の地震がきても倒壊しないという評価になります。

しかしながら、ほとんどの再建築不可物件の診断結果は0.7未満になることが多く、必然的に耐震補強が必要になります。

「上部構造評点」の計算はかなり複雑な為、建て替えやリフォームの契約後にパソコンソフトを使って算出するのが一般的です。
では、契約前に現在の耐震等級を知るにはどうしたら良いでしょうか?

建築士による簡易検査

「上部構造評点」による耐震性能評価は算出に時間・費用がかかる為、契約前の見積もり段階では、建築会社の方で簡易的な診断をおこないます。古い建物や再建築不可物件を数多くみている建築士は、下記のような方法で建物のおおよその耐震レベルを想定することができます。

  • 天袋(押入れの上部や床の間の天井付近に設けられている戸棚)から構造を確認する。
  • 基礎の状態を確認する。

これらの現地調査による簡易診断を行うことで、その建物の耐震補強工事にどれくらいの費用がかかるか・工事の規模はどれくらいかなどの見積もりを行います。

再建築不可物件の建て替えを検討する際には「耐震基準をどうクリアしていくか」が重要なポイントになります。
また、再建築不可物件に耐震補強をして既存の上部構造を活かした建て替えをするより、新築で建て替えた方が費用的には安くなるというケースも多くあります。その為、建築士・設計会社などの専門家に相談し、費用対効果も含めた十分な検討をすることが重要になります。

いかがでしたか?山匠では、再建築不可物件の多数の工事実績がございます。
既存構築物の耐震補強から、再建築不可物件のリフォーム工事まで、まずはお気軽にご相談ください。>問い合わせはこちら
株式会社山匠
〒143-0024 東京都大田区中央4-3-2サンハイツ101
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